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感傷あるいは郷愁 [その他]

年末年始(12/29~1/5)は、札幌にある家内の実家で過ごしました。
札幌は最初の赴任地であり、家内と知り合った思い出深い街です。

往きは(帰りも)一人だったので、札幌駅周辺で昼食をとることにしました。
かつての勤務地付近を懐かしみながら散歩しました。札幌にはよく行きますし、車でそばを通ることは多いのですが、遊びに行く地域でもなく、子どもができてからは更に縁遠くなっていたので、本当に久しぶりです。
周囲のビルはほとんど変わらずとも、テナントは入れ替わり、お世話になったお店もかなり無くなっていました。
そんななか、昼食ローテーションの一角を占めていた居酒屋は健在だったので、暖簾をくぐりました。店の人は代わったようですが、雰囲気やメニューは当時のまま。先輩や同期とよく来ていたこと、奥の小上りで副支社長から酒をご馳走になったり、お小言をいただいたことなどを鮮明に思い出しました。

思うところあって転職しましたが、前の会社、特に札幌支社は思い出深いものがあります。コテコテの日本社だったのでWetな職場ではありましたが、その分、帰属意識というか仲間意識は濃かったです。副支社長からはずいぶんと怒られもしましたが、社会人としての基礎を教えていただいたように思いますし、公私にわたって面倒をみていただきました。
今でも当時の同僚・上司との音信はありますが、「去るもの日々に疎し」の感は否めません。
今の会社に移って、仕事や処遇にあまり不満はないのですが、会社への帰属意識や同僚との連帯感はあまり感じられません。転職によって得たものもあるけど失ったものも多いように思います。今にしてみると、自ら放棄した居心地のよさが懐かしく感じられたりもします。

かつての馴染みの店でホッケの開き定食を食べながら感傷に浸り、戻れぬ場所に郷愁を感じながら、つくづく自分は典型的な日本人だとも思ったり。
そんなことを思いながら、一冊の本を思い出しました。読んだ当時に既に「古典」であったけど、今なお日本人の組織について色褪せない見識を示してくれます。

タテ社会の人間関係―単一社会の理論

タテ社会の人間関係―単一社会の理論

  • 作者: 中根 千枝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1967/02/16
  • メディア: 新書

過去の選択について考えても仕方ありません。新年ですし、前を向いて進んでいかなくてはなりませんね。
明日には家内とコウタも札幌から帰って来ますし、週明けからは仕事も始まります。感傷に浸っているヒマもなさそうです。


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クリン

僕も数年前に転職をしました。
以前勤めていた会社では、Shunさんと同じように社会人、技術者としての基礎を教えてもらいました。
そのお陰で今の自分があると思っています。

昨年は、ShunさんのBlogから色々と勉強させてもらいました。今年もBlog楽しみにしています。
今年も宜しくお願い致します。
by クリン (2007-01-07 00:20) 

y-okada

いつ転職なさったのでしょうか。
実は私も昨年4月に転職しまして、現在はshunさんの出身大学に所属しております。ただ将来はまだまだ不安定で、この歳にして危ない橋を渡っています。
 でも現状に不満を言っても始まらないですよね。過去を反省しつつ、未来に向けて現在できることを前向きにやっていこうと思います。
by y-okada (2007-01-09 20:17) 

Shun

>クリンさん
クリンさんも転職経験者でしたか。
振り返ってみると転職はけっこうリスクのある選択だったと思います。業務を進めるうえで(知識や経験だけでなく)社内で培ってきた人間関係もかなり大切だと思うだけに。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。

>y-okada さん
コメント&nice! をありがとうございます。
今の会社に移ったのは2001年で、それなりの時間が経っているのですが、それでも前の会社の方が心情的には好きだったりします。
正直に言うと、現状に不満を言ったり過去を悔やんだりしたくなることはあります。でも、「未来に向けて現在できることを前向きにやっていこう」との思いは同感です。豊かな可能性がある子どもと向き合うためにも、自分も前向きにならねばと思います。
by Shun (2007-01-09 23:53) 

泉河潤一

時は流れていきますね。

「札幌は最初の赴任地であり、家内と知り合った思い出深い街」ということならば、本当に思い出深い街ですね。

私にもそのような街がありますが、確かに思い出深く、たまにそこへ行くと、何とも感慨深いものがあります。若かりし頃のいろいろな懐かしい思い出が思い出されて……。

本当に時は流れていきますね。

※ 100nice!おめでとうございます。

 これからも同じ父親による育児ブログとして楽しみかつ頻繁に訪問させていただきます。
by 泉河潤一 (2007-01-17 19:52) 

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